トップメッセージ

2025年3月期決算は「増収増益」となり、営業利益は、過去最高に迫る64億円(前期比129.8%増)を記録しました。生成AI向けを中心とした最先端半導体需要が大きく伸びる中、研磨材事業では、壬生川工場技術開発棟の新設による設備・人員の集約といった施策により、半導体の微細化・積層化ニーズに的確に応え、業績は好調に推移しました。化学工業品事業も、電子材料市場の回復や、顧客ニーズに対応した新規製品の量産化などにより工場の稼働率が向上し、業績を回復させました。2026年3月期については、半導体市場におけるAI関連投資の拡大傾向が続き、業績は堅調に推移すると見込んでおります。
研磨材事業では、開発・製造・品質保証・知的財産関連の各部門の連携を一層強化し、顧客対応力の向上を目指します。また、2026年秋以降に予定している「台湾研究開発センター」の開設に向けて、研究開発体制の強化を進めていきます。これらの施策により、引き続き好調なCMP用途の需要を取り込み、事業規模の拡大につなげていきます。具体的には、半導体の微細化・積層化に応えるべく、ソフトパッドのさらなるシェア拡大とハードパッドの拡販に取り組んでまいります。化学工業品事業では、引き続き柳井工場・武生工場の連携を強化するとともに、柳井工場内の新プラント設置(2026年4月稼働開始)により、収益基盤の拡大に取り組んでまいります。また、中長期的には、特定の市場に過度に依存しない事業ポートフォリオの構築を目指し、事業領域の拡大や新規事業の探索・育成にも取り組む必要があると考えております。
さらに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、中長期的な企業価値向上のための成長投資や、「富士紡ROIC経営」の徹底など、さまざまな施策を推進しています。その中でも「株主への利益還元」を経営の最重要課題として位置づけており、2025年5月には、配当方針にかかる数値目標を公表いたしました。具体的には、連結配当性向35%を目標とし、DOE3.5%を下限とするもので、2026年3月期より適用いたします。利益配分方針を明確にすることで、引き続き利益還元の充実と資本効率の向上に努めてまいります。
最後になりますが、適時適切な情報開示と株主・投資家の皆さまとのコミュニケーション、株主還元へのコミットメントは、資本市場との信頼関係を構築するうえで重要な基盤になるものと考えています。当社は、その信頼関係を大切にしながら、これからも企業価値向上に努めてまいります。今後とも、皆さまのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
取締役社長 井上 雅偉